関東はとうとう梅雨明けが発表され、本格的な夏シーズンの到来です。
楽しみに待ってはいたものの、バイク乗りさんとしてはやはり暑いです。。。
それでも乗る機会が多くなる季節だと思いますので、どうぞ事故、お怪我なくお過ごしください。
さて、今回は表題にも御座います 14モデルのZX6Rの丸々スタントカスタムをご紹介させて頂きたいと思います。
早速、完成したマシンです♪
その前が、、、
ほぼノーマル状態の車両からのカスタムとなります。
実はこちらのユーザーさんは、RSCクラッチとFORSTUNT 製のクリップオンハンドルのみをご注文いただき事前に納品させていただいたユーザーさんで御座いました。
ですがその後のご連絡で、お住まいの地域にはハンドルの変更等のカスタムをしてもらえるショップさんが無かったようで・・・。
この現行のZX6RはABSモデルになります。 ハンドルの変更でブレーキラインの取り回し、またはその情報が無いため施工するバイク屋さんとしてはとても厄介に思われて「出来ない」という事で全て断られてしまったようで御座いました。
その事をお伺いし、当社と提携しているショップさんへ問い合わせしましたところ「何とかするよ」と即答で御座いました。 ショップさんへ施工されている方はすでにご存知かと思いますが、本当に頼りになるショップさんで御座います。
ユーザーさんへお伝えしたところ、施工をお願いしたいとのことでご依頼を頂きました。
当初は送らせて頂いたクリップオンハンドルとRSCクラッチのみだったのですが、元々スタント車両に魅了されていらっしゃりメールなどでお話をさせて頂くうちに、この際全てカスタムをお願いしたいとのことでお話を頂きました。
ほぼノーマルの状態からお好みをお伺いしながらカスタムを進めていくのは私としても楽しく、ワクワクする作業で御座います♪
まずはユーザーさんのお使い方、思考、お好みをしっかりとお伺いさせて頂きました。
・スタントカスタムでスタントをメインにはしない予定
・町をメインで利用される事
・ロングツーリングも行う事
・見た目を重視したい
といったご希望で御座いました。 そして密かにメールやお話をさせて頂く中で出来る限りその方の雰囲気やお好み、そしていい意味で年齢なども小耳に?はさみながらカスタムのイメージを膨らませています。
その中で私のイメージとして固まったのが
「思いっきりな正統派なスタントマシン」
という事をメインとしてパーツのチョイス、ご相談、ご案内をさせて頂きました。
スタントマシンでも、ラップを施したがらがらなスタントマシンもあれば、レーシーさなイメージを残したスタントマシンとさまざま御座います。
そういった面で、元々の純正の雰囲気をまったく崩さず、要所要所のパーツをしっかりと固めていくといったイメージです。
その為、あえてグラフィックやラップなどはご提案しませんでした。
ユーザーさんのお仕事の関係やお住まいの場所の関係で、メールで打ち合わせを行いながらパーツのチョイス、カスタム内容が決まりました。
今回パーツを装着したものが、、、
IMPAKTECH スタントケージ(アメリカ)
IMPAKTECH サブケージ(アメリカ)
CORE MOTO フロント/リア ブレーキライン(アメリカ)
*ABS キャンセル
RSC 2本指用 クラッチレバー(アメリカ)
FORSTUNT クリップオン(ポーランド)
スクリーンカット(当社の提携ショップさんでの加工)
R&G ミラーオフプレート(イギリス)
JOKE RIDERS DUAL キャリパーブラケット+ビッグローター(フランス)
CBR600RR フロントキャリパー 2つ使用(国内)
CORE MOTO ハンドブレーキロングライン(アメリカ)
NISSIN 左側用 ハンドブレーキ(国内)
PBR スチールリアスプロケット 520-48T(イタリア)
DID 520-120L チェーン(国内)
といったパーツ内容、取り付け内容となりました。
基本的には本間さんにお任せし
ます! と嬉しい言葉を頂きました♪
ます! と嬉しい言葉を頂きました♪
国内と書いているものは、海外から輸入をしますと返って高価なパーツ、お買い物となってしまうため国内で調達したものになります。 こちらも本間さんにお任せしますとのことでじっくりと選定させて頂きました。
そして今回、私も、ショップさんも一番気になっていたのが、、、
ABSのキャンセル
ユーザーさんがお調べしたショップさんもABSがらみのカスタムが気になり、施工を断っていた部分でもございます。
皆さんもご存知このABS。
アンチロックブレーキシステムの略で、ブレーキがロックしないようにする装置です。
そんないい物をなぜ外すの!? ということなのですが、あくまでもこのABSは町での安全装置をメインとした機構です。
サーキットでガツガツ走りたい、そこそこなスポーツ走行をしたい!という方にはやはり不便な装置であります。
ブレーキがロックするぎりぎりが、やはり一番ブレーキがかかっておりそれをコントロールする事がサーキットで走られている方にとっては醍醐味といった方もいらっしゃいます。
ましてはスタントで使う場合は、ロックをしなければならないのでABSはもってのほかでも御座います。
ユーザーさんとじっくりと打ち合わせしたところ、ABSはやはり自分には必要なく、将来的にも元に戻したいなどのつもりはなく、もしキャンセルできるのであればその方向でお願いしたいとのことで御座いました。
ABSキャンセルの情報は出回っていないため、ユーザーさんはもちろん、私もショップさんもその場その場で考えながらの作業となる内容となるため車両をお預かりさせて頂くことになりました。
そしてご都合をつけていただき、京都からはるばる神奈川県までお越しいただきました!
5時間ほどかかったようで、「途中で諦めて引き返そうと思いましたよぉ」 と楽しそうにお話されていたのがとても印象的で御座いました♪
そしてその日に新幹線でお帰りになりました。
車両は一度当社でお預かりさせて頂き、私が車両を確認しながら、ハンドル位置を見ながら改めてブレーキラインの取り回しや内容を確認、そしてCORE MOTO 社へABS 装置を通さないブレーキラインの内容でフルオーダーをしました。
後日、全てのパーツが当社に入荷し当社からショップさんへ車両を入庫。 いよいよ作業の開始となります!
つきっきりで作業をし、1週間ほどで完成いたしました!
その他のパーツは、ポンポン装着されていったようですがやはりABSユニットにはとても苦労されたようでした。
ZX6Rにはタンク下にABSユニットが装着されております。
フロントブレーキもリアブレーキも一度、このユニットにラインが経由してキャリパーへ配管がされております。
この小さいユニットに、ECU並みのとても大きいコネクターが装着されているようでした。
確認してみると、スピードやブレーキ、回転数、、、、と数多くの配線が一度このABSユニットを経由しているようで御座いました。
その為、このユニットをごっそり外してしまうと配線が経由できず不具合が発生してしまうようです。
コネクターを活かすため必然とABSユニットはそのまま残した状態にしなければなりませんでした。
そしてABSユニットにいくブレーキラインは途中で金属のパイプになっておりますが、そのラインをごっそりと撤去しABSユニットにメクラをしてABSユニットを残したまま(配線を活かした状態)ABSのキャンセル、撤去が出来ました。
ABSのチェックライトも点灯することはありませんでした。
ユニットにメクラをしているため、現状はブレーキをかけていないといった状態でABSユニットが見ている状況です。
CORE MOTOのブレーキラインはABSユニットを経由せずにダイレクトにキャリパーへ配管されました。
そしてIMPAKTECH のスタントケージ、サブケージの装着
頻繁にケージの装着を行っているショップさんということもあり、すんなりと完了いたしました。
ZX6Rのこの年式はリアマウントにちょうどリアブレーキタンクが固定されているため、違う場所に移植をしました。
メンテナンスが出来るようにと
邪魔にならずメンテナンスが出来るこの位置へ。
ユーザーさんがお選びいただいた、イタリアのメーカーのスチールスプロケ。
純正よりサイズを大きく変更し48Tで御座います。
デザインもコテコテした状態ですとイメージとは少し変わってしまう印象があり、あまり主張をしないシンプルなデザインで大きい歯数を選定しました。
それに伴いチェーンも新しく変更しました。
そして国内のショップさんで出来ないといわれてしまった、当初納品させていただいたクリップオン
こちらもすんなりと施工が完成しました♪
ちなみにこの状態は一番ハンドルをアップにしている状態です。
この内容でブレーキラインの長さを確認しながらオーダーをしたのでブレーキラインは問題はありませんでしたが、純正のクラッチワイヤー、アクセルワイヤーも若干の取り回しでそのまま再利用が出来ました。
このクリップオンのメリットはポジションの変更が自由自在ということです。
手前、奥、上下、絞る、広げると細かく固定が出来ます。
今回は一番高い状態で確認していったため、将来的にポジションを変更してもまったく問題御座いません。
こちらが一番高くした状態です。
こちらはスタントマシンのビジュアルのように、少しだけ下げてハンドルを絞らず広げてみた状態です。
雰囲気がとても変わるのが改めて分かります。
RSCクラッチと、リアハンドブレーキの装着です。
スイッチボックスも問題なく使えるように取り付けております。
後日、ユーザーさんから、お好みのポジションで位置を変更した画像をいただきました。
そしてスタントマシンは前から見たビジュアルにも特徴が御座います。
それが、ミラーを外してミラーオフプレートの装着。そしてショートスクリーン化です。
ショートスクリーン化しただけではなく、そこからクリップオンのハンドルが覗かせる事であのビジュアルが出てきます。
このスクリーンカットで御座いますが、単純に切るだけで簡単では御座いますが、、、、
分かりますでしょうか? この仕上がり!
これで売っていたといっても絶対に分かりません。 さすがプロのお仕事で御座います。
ショップさんは、「メーターはかなりの頻度で見るから、その都度切りっぱなしの部分が見えちぇうのは残念だからね」 と一手間、二手間をかけペーパー掛けを複数、そしてバフ掛けを行いきれいな面取りに仕上がりました。
これでフロントフェイスはばっちりです!
あとは、スタントブレーキでお馴染みのJOKE RIDERS のDUAL キャリパーブラケットの装着。
ポンポンと装着が完了し、いざ試運転で問題が発生いたしました。
エンジンはかかり、ギアも問題ない。チェックランプも何も点灯しないがメーター表示が「0」からまったく動かない症状が出ました。
ABSのユニットのコネクター? と色々と確認しましたがショップさんでも分からず、KAWASAKIへ直接どのような機構、構造になっているのかと問い合わせしたようです。
もちろんカスタムパーツで、、、となるとメーカーさんとしては分からないため、どのような機構になってメーターやABSが動いているのかを聞いたようでした。
するとリアブレーキディスクの内側についているストライプ状の板とセンサーがスピード表示を感知しているようです。
ABSだけの機器だと思っていたのですが、その目的+一緒にスピードも拾ってしまおうという事のようです。
今回は、JOKE RIDERS 製のブラケットを装着するにあたりビグローターを組み合わせます。
ABSはキャンセルし、使う予定はないのでその板やセンサーも外して問題ないと思っていたところ、この板を装着していないとスピードを感知しないという事が分かりました。
スタントメインでスピードの表示は必要ない方は良いのですが、町乗りがメインで御座います。
後付のスピードメーターを装着?といった案もありましたが、実はこの板はスピードの表示、ABS、そしてもう1つ。
トラクションコントローラー
もこの板とセンサーが絡んでおりました。
フロントにも同じような板とセンサーが装着しておりますが、このフロントの板とリアの板の回転の差をコンピューターで見ているようです。
要するにフロント通常に回転、リアがスリップして空回りをするとフロントの回転より多く回ります。
この「差」をコンピューターで計算してトラクションコントロールとして活かしているようです。
またサーキット等でフロントが浮いてしまうような場合も少なからず差が出てきます。
驚いた事にこういった走行でフロントが上がる場合の差と、スリップなどでの差も計算しているようで絶妙にトラクションコントロールを作動している、とても頭の良いコンピューターのようです。
この頭の良いことをするために、前後についている小さい板とセンサーが大元ということになります。
その為、リアの板を若干の加工でビッグローターへ移植を行う事になりました。
そして板とセンサーの間はミリ単位での絶妙な隙間が必要のようです。
少し離れると感知しないようで御座いますが、こちらもさすがプロのお仕事です。
もちろんこの場所は元々何も穴がなく、平の状態ですが板の場所、そして板と板との絶妙なクリアランスが出るように設置いたしました。
これでABSはキャンセルでき、スピード表示もクリアが出来ました。
タイヤ交換などでホイールやブラケットを外す作業があっても、同じように元に戻せるように加工しておりますので将来的にも安心してお使いいただければと思います。
ようやく無事に完成し、ユーザーさんへお渡しする事が出来ました!
再度新幹線でお越し頂き、ちょうど天気の良い日にお渡しでき乗って帰られました。
嬉しそうな表情を見ていると私も嬉しい気持ちになりますね♪
いつも楽しいお話有難う御座います♪
近日中に北海道へツーリングにいかれるようです♪
そんなことで、京都の大型バイク量販店でオイル交換へ出したようなのですが、ピットには作業者とお客さんの人だかりが出来ていたようで、質問攻めでしたよと後ほどメールをいただきました(笑)
グラフィックをがつがつ張って主張するスタントカスタムも御座いますが、このようなスタントカスタムでもインパクトが抜群なのだなと改めて実感いたしました。
またお店によりますね!と言っていただき私も次回お会いできる日を楽しみにしています☆
素敵なバイクライフをお過ごしください♪
皆様に、少しでも上記のABSに関してご参考になればと思います。
アクセル本間
3 コメント
自分自身はバイクとは無縁なのですが、大好きな人がバイク大好きです。
返信削除夢を持ってそれに近付こうとするのって、とても素敵だなと思います。
今年は涼しくなるのが早くて、心地良い風の中、カッコいいバイクでツーリングって楽しいんでしょうね。
自分には無理な感じですが、チョット憧れちゃいます。
この度はコメントを頂き、ありがとうございます。
削除並びに返信が遅れて大変失礼致しました。
車と違い、バイクで走ると心地よい風、匂い、視界、音、全身を肌身で感じることができる乗り物は他では味わいにくい乗り物かと思います。
また、プラモデル感覚で自分のマシンをカスタマイズできることもあり、カスタムの楽しみ、愛着などが人一倍沸く楽しみもございます。
こうしたマシンを同じバイク好きの人と一緒に走れる楽しさは、バイクの醍醐味でもありますよね。
是非、機会がございましたら、バイクをご体験していただければと思います。
良いマシンに仕上がりましたね!
返信削除この記事に写ってる加工で、どのぐらいの費用が掛かるのでしょうか…?