V-MAXへバイク用 トレーラーの輸入 登録

 AXXLではこんなこともチャレンジ?しております。


バイク用のトレーラーです。

お客様からのご相談にて、カナダにあるこのメーカーのトレーラーは輸入できますか?とのご相談を頂きました。

調べたところThird wheel TRAILERSというバイク用のトレーラー専門店でした。

2006年に設立されたミドルメーカーでありながら、トレーラーのデザイン、設計は全て自社で行っているトレーラー専門店です。

早速カナダのメーカー担当者へ問い合わせをしたところ、問題なく製作、海上輸送で日本に発送が可能とのことで御座いました。

もし日本に発送を行っていないといった場合でも、弊社では長年のコネクションから商品の輸入自体は問題なく行う事が出来ます。


言ってしまえば輸入は全く問題ありません。

問題はこのトレーラーを日本で登録し、正式に公道で走らせることが出来るかということです。

おそらく多くのショップ様では、実際に登録が出来るのか、どのような時間がかかるのか、トレーラー自体をどの程度日本の保安基準に適合したパーツに変更する改善が必要か、、、と輸入前に問題が山積するため、お断りするケースが多いかと思います。

しかし弊社ではこれも1つのチャレンジであり、弊社にとっても経験の1つとなり、事例を作ることができ、メーカーとのコネクションも作れることから、どうしたら出来るのかという方法を考えてお客様へご提案をするようにしております。


輸入をしてから、日本では登録できませんと言われてしまったら元も子もないので、現車が無い状態でどのように登録が出来るのかを調べつくしました。


市役所、陸運局、交通機動隊、警察署。お客様では高速道路も走りたいのことでしたので、NEXCOにも問い合わせました。


輸入者で「並行輸入」という言葉を聞いたことがあると思います。

これは日本の正規代理店を通さず、海外で販売されている車両を個人輸入(または業者にて単品輸入)して日本で登録することを意味します。

例えばアメ車のシボレー。 日本でも正規の代理店がありますが、アメリカで程度の良い中古を見つけて又は新車を輸入した場合は並行輸入となり、車検証の型式は不明と記載されてしまいます。

シボレーのような世界的に名が知られた車種の場合、登録が出来ないということはまずありません。

ちゃんとした車で、安全性も確保できています。 単純に並行輸入として登録するための資料を用意するだけで問題がありません。

しかし今回のトレーラーのように、Third wheel RTAILERS ?? どこのなんのメーカー? となるはずです。どんな材質でどんな強度があって、、、と情報はゼロです。

そんな車両を安全を確保出来、日本で走っていいですよ(ナンバーの交付)と許可を出すことはかなり難易度が高いです。

なので事前に出来る限りの情報を収集し、問い合わせをし、ここは問題ありませんといった担当者の名前をメモし外堀を固めていきます(笑)

後から私はそんなこと言っていません、誰が言った?となると面倒です。

時間がかかりましたが、登録が出来るということが分かりようやく車両を輸入いたしました。


トレーラーは全て受注生産のため、製作期間に3か月程度を要しました。


ようやくカナダから大黒ふ頭に到着です。



ここから通関手続きを行います。

無事に通関手続きが完了し、車両への積み込み。

が、中にはまずものとか本当にないの?? ということで、X線検査の指示が入りました。


前の輸入車もX線検査の指示があったのですね。
X線検査待ちです。
私も木枠を外して中を確認していないので、どんなものが入っているのか分かりません。
毎回少しヒヤヒヤする瞬間です。


無事に許可が下り、弊社に到着できました。


私も初めて見るバイク専用トレーラーなので、興味津々でした。





こちらはV-MAX専用のヒッチメンバーです。
スイングアームにシャフトを通し取り付けるだけの簡単設置です。
お客様から車両をまだ預かっていないため、本当に取り付けが出来るのか、車種専用で間違いがないのか不安です。



フロント周りの仕上がりもとてもキレイでした。


こちらが内部です。
リアの取っ手を回すとダンパーが利いて上に持ち上がるようになっていました。



ボディー自体はFRPのため跳ね上げもとても軽く、トレーラー本体も手で持ち上げることが出来ました。




まずは車両を日本の保安基準に適合するために灯火類の改善を行います。


ご覧のように絶対に全てが真っ赤に光るのが見え見えです。
実際に通電したところ、やはりウィンカーが赤で点滅しました。

そのため中央のLEDはスモールライトとして。
両側の赤ウィンカーはブレーキライトの配線に繋ぎ変えました。

ウィンカーは車検対応の小さいウィンカーをナンバープレート横に設置し、配線をし直しました。

そしてトレーラーは車幅灯兼リフレクターが必要のため、サイドマーカーを外しこの部分に車幅灯を設置して配線をし直しました。

更にはトレーラーは指定サイズの三角形のリフレクターが後方に必要のため、ナンバープレート下に設置をしました。

トレーラー本体が丸い卵型なので、後からパーツを取付けることがなかなか難しいです。



4輪でもそうなのですが、けん引をするためには車両自体がその強度を保つことが出来るのかという計算書を提出する850登録というものを行う必要があります。

これは車検証のみで問題が無いため、計算書を作成し陸運局で車検証の記載をもらいました。


本当は市役所管轄でのナンバー交付で当初は許可が下りたため、車両はお預かりすることなくナンバー登録を行う予定でしたが、やはり市役所ですったもんだありました・・・・。

通常は15分程度で終わるところが、2時間以上です。

案の定、当時電話対応した人は誰なの??と役所の奥でざわつき始め、対応した女性の方が上司に呼ばれて泣きそうな表情。

弊社としては当時問題が無いと許可をもらったから輸入をしたと食い下がりませんでしたが、役所がダメといえばもうだめです。


ここから更に問い合わせをし、別の方法でナンバーを取得することになりました。

管轄は軽自動車の陸運局です。

陸運局担当者へ最初から話をしましたが、東京にある本社に許可をもらう必要があるとのことで、どんなメーカー?というところから大量の資料を準備し提出しました。

本社から許可が下りなかったら振り出しですが、、、許可が下りました。一安心です。

しかし再度必要な書類が膨大でした。


トレーラーの場合トレーラー自体を止めるためのブレーキが必要となります。

ブレーキシステムが無い場合は、フレームに鎖を固定しフックをホイールに引っかけるようなアナログのサイドブレーキを取付ける必要があります。

チェーンやフックはホームセンターで用意が出来るのですが、このフックやチェーンがどのような強度なのかの、強度計算書を提出する必要がありました。

何キロの力をかけたら破断するのかなど、、、たかがチェーンだけでも時間がかかります。


そしてもう1つ。ホイールです。

鉄ホイールか、アルミホイールの場合はJWL(日本で強度が保てたと許可下りた刻印)の刻印が必要とのことです。

恐る恐る磁石を当ててみると、くっつきません(泣)

ということはアルミの材質となりますが、カナダのメーカーなのでJWLのスタンプはもちろんありません。

ということでサイズが近い、鉄のホイールを入手して取り付ける必要があります。

サイズは10インチとなり、タイヤサイズ等を考えて調べたところ、ヤマハのBWSのホイールがよさそうでした。

中古で購入をしきれいに再塗装、車両に併せてホイールカラーをワンオフいたしました。



ここまでたどり着くまでとにかく時間がかかりました。。。

車検を通す場合、実際に車両に連結した状態が必要なため、お客様から車両をお預かりさせて頂きました。
茨城県から神奈川県までお越し頂きました。

そしてもう1つ懸念をしていたヒッチメンバーは、問題なくスムーズに固定が出来ました。



フックを外すとヒッチメンバーは簡単に取り外すことが出来ます。



配線のコネクターもワンタッチです。


そして弊社管轄の相模原の陸運局で新規車検です。


ここもで若干すったもんだありましたが、長年にわたり陸運局に通い詰めたコネクションを駆使しました。





これでようやく無事に、日本で堂々と使用する許可がおりました。

トレーラーは1輪のため、車両と一緒にバンクを致します。



そしてヒッチの固定している部分は、左右にフリーに動くようになっていますので、バックするときはトレーラー特有の逆に切れてしまいます。



最大積載量は40KGで許可が下り登録をしておりますので、十分な内容かと思います。

タンデムでキャンプする方も荷物をしっかり積むことが出来ますし、ソロキャンプでも最高の使い勝手だと思います。












ヒッチだけが車種専用となっており、トレーラーはほぼ消耗品ではないので乗り換えても長くご利用いただけると思います。

何より日本では恐らく弊社が第一号、お客様が初めてのトレーラーメーカーだと思います。
一度事例が出来てしまえば次はスムーズですので、ご興味がある方はご遠慮なくご相談ください。

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